第13回日本不安症学会学術大会 会長挨拶
テーマ
神経症・不安症診療のこれまでとこれから
〜標準化と個別化、その狭間に何を見出すか〜
この度、2021年(令和3年)5月22日(土)~6月21日(月)の期間にわたって、第13回日本不安症学会学術大会を開催することとなりました。
本大会のメインテーマは「神経症・不安症診療のこれまでとこれから〜標準化と個別化、その狭間に何を見出すか〜」としました。DSM-III以降、「神経症」という用語は使用されることが少なくなってきていると思われますが、現在「不安症」とされている病態は、「神経症」として多くの検討がなされてきましたので、これまでとこれからを考えるにあたり「神経症・不安症診療」といたしました。ガイドラインをはじめ標準化は重要な課題と考えられますが、一方、個々の病態に合わせた個別化も必要と思われます。実臨床は、その狭間にあるのかもしれません。「狭間」は城の櫓などにある銃眼の意味もありますので、そこから標準化を踏まえ、個別化を考慮し、工夫を凝らした治療戦略を繰り出して、より良い診療を目指すための大会になればと思っております。
医師、心理士、看護師、保健師、精神保健福祉士等の医療関係者や学校保健関係者はもとより、脳科学者や基礎心理学者などにも広くご参加いただき、基礎から臨床、また身体・心理・社会的な諸側面に及ぶ、様々なテーマを検討し、深めていければと思います。
残念ながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、素晴らしいプログラムが準備されていた第12回大会が中止となりました。本大会では、第12回大会の内容も引き継げる様にしたいと考えております。5月の札幌は、とても気候の良い季節で、芥川龍之介がマヨネーズをかけて食べてしまいたいとした北海道大学植物園もございますので、ぜひ多くの皆様にお集まりいただけるようにと思っておりました。
しかしながら、2021年(令和3年)1月現在の感染状況を鑑み、やむなくWeb開催に変更いたしたいと存じます。期間を延長したオンデマンド配信やチャットでの質疑応答等工夫を凝らした方法も考えておりますので、ご参加のほどを心よりお待ちしております。
第13回日本不安症学会学術大会
大会長 久住 一郎
朝倉 聡
(北海道大学大学院医学研究院 精神医学教室)